虹とおひさま

川間 弘子さん(防府市) 2017年度奨励賞受賞

Q1.現在の事業内容について教えてください。

私は、学習に困っている子どもたちの学びを長年にわたり支援し続けてきており、2016年には認定NPO法人やまぐち発達臨床支援センターを立ち上げました。「虹とおひさま」は、これまでの支援経験をもとにセンターで独自開発した教材や指導法を、特別支援教育や保育等にかかわっている全国の教員、指導員、保護者に広めることを目的として事業を開始しました。教え方動画付きの教材販売、オンラインセミナー、定額制の動画配信等を行っています。

Q2.コロナ禍でどのような苦労がありましたか。

会場でのセミナーが実施できず、教材の展示販売ができなかったことは大きかったです。

教材は、すべて木製のオリジナル商品で、触って使ってみてこそ良さを分かっていただけるものですが、その機会が奪われてしまいました。

そこで、2020年4月から定期的に、演習型のオンラインセミナーを始めました。木製の教材を送ることはできないのですが、紙で作れる簡易教材のデータを資料と共に送付して、オンラインでつないで一緒に作り、講義後の演習で実際に使うようにしました。使い方と良さがわかれば、もっと耐久性の良い、木製の教材の販売につなげられることも利点として考えました。

また、オンラインセミナーの内容をプレゼン動画としてまとめ、定額制契約を締結した方へ配信する事業も始めました。これは、私が30年来行ってきたことを後輩に伝える遺言のつもりでもあります。事業を始めた2020年5月から1年7ヵ月の間に、ショート版を含めると116本もの動画を製作・配信しています。

Q3.事業を継続する上で、今困っていることはありますか。

事業継承です。今、スタッフと二人で事業を行っていますが、その後どのような形にするかが決まっていません。学習に困っている子どもたちのためにも、この活動を絶やすことはできません。いろいろな方にアドバイスをいただいたりしながら、これからじっくり考えていきたいと思っています。

Q4.今後、どのような事業を展開して行きたいですか。

今後も、オンラインセミナーの内容を充実していきたいと思っています。

会場での実施ができず次善の策として導入しましたが、実際に行ってみると、全国を含めた遠方から気軽に参加いただけることや、これまでの講座を記録として残せることなど、オンラインならではのメリットもたくさんありました。伝えたいポイントに絞って丁寧に解説したり、ダイジェスト版で概観いただいたりと細かにメニューをご用意できますし、必要なときに必要な講座を見ていただけるのもメリットです。

必要とする多くの方にしっかり届き、活用していただけるものになるようにしていきたいと思います。

Q5.これから社会課題の解決を目指し、ソーシャルビジネスに関わって行こうと考えている人に向けてのアドバイスをお願いします。

どこにもない物を作り出す楽しさがあります。発想力です。できないのでなく、どうしたらできるかのスタンスで、コロナ禍の中、やってきました。考えたことを実現する楽しさをまず、大切にしてください。実現する上で、応援してくれる人はたくさんいますから。